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宮大工 西岡常一の遺言

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『宮大工 西岡常一の遺言』
山崎佑次 著
☆☆☆☆

【内容】
お金とはまったく無縁だったけれど、千年先のことを想いながら、堂々と仕事をした宮大工西岡常一。いまどきの日本人がすっかり忘れかけた、とびっきり骨太の生き方が、ここにある。

◎西岡 常一(1908年- 1995年)
法隆寺、昭和の大修理において25歳の若さで棟梁となる。その後、法輪寺三重塔、薬師寺金堂、西塔などの再建も棟梁として手掛ける。また、途絶えていた「ヤリガンナ」などの道具の復活を行う。飛鳥時代から受け継がれていた寺院建築の技術を後世に伝えるなど「最後の宮大工」と称された。

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右)約1300年、この場ですっくと美しく立つ薬師寺・東塔。
左)その東塔を実測調査し、復元した薬師寺・西塔。
  西岡棟梁はこの西塔を復元する際、わざと東塔より6尺高くした。

“どうして、高くつくったのか?”と言う著者の問いに棟梁は
『風雪でねじれ、歪み、傷み、歴史の重みで下がってくる。
 けれども、いずれ落ち着く。
 500年もしたら同じ高さに落ち着くのとちがいますやろか。』

500年!!こんな台詞をさらっと言ってのける棟梁。カッコ良すぎる!
そう思うと同時に、この塔は22世紀、23世紀、24世紀・・・とここにすっくと立ち続けるんだな〜と思うと羨ましくなる。(大きな震災や事故、戦争などがなければだが)

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読む前は少々『かっこ良すぎるよ〜〜』と思ったこの文句も
読み終わった今では全く反論の余地なし!
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              うるわしや、薬師寺。
by namihei-dobryden | 2008-06-15 19:00 | 読書☆道楽
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