『半島へ、ふたたび』
蓮池薫著 ☆☆☆
【内容】
僕のなかの北朝鮮は、消し去ろうとしてもそう簡単に消し去ることができない。
ボートで運ばれながら、殴られて腫れ上がったまぶたのすき間から見た最後の日本の姿は、故郷柏崎のほんわかとやさしい夜景だった。その二日後、北朝鮮に着いて目にしたのは、冷たく暗い清津(チョンジン)の夜景だった—
—拉致被害者である著者が、「北」に隣接するソウルを旅して吐露する辛苦に満ちた24年の記憶。初めての手記。
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韓国と北朝鮮の“庶民レベルでの文化の違い”を語れる人は少ないから
とても興味深く読めた。
寒さを防ぐため、空腹を満たすために日々奮闘してる北朝鮮での暮らしは
何でもあった日本からいきなり放り込まれた人間にとって
どれほど大変だったろうか。。。
日本に戻る事を早々に諦めたというから
相当絶望的な状況だったんだと思う。(当たり前か・・・)
本の後半では翻訳家として家族を養う為の悪戦苦闘ぶりが書かれてる。
初めての事ばかりで、毎日疲労困ぱいしてる様だったが
反面、それまで奪われてた“したい事への挑戦”が出来る幸せを実感し
活き活きと生活してる著者の姿がうかがえる。
今後も翻訳家として活躍してほしい。